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メディカルフィットネス

咳・くしゃみで尿もれ…50代からの骨盤底筋の鍛え方【理学療法士監修】

「咳をしたとき、思わず少し漏れてしまった」
「くしゃみが出そうになると、身構えてしまう」
「ジムやウォーキングに出かけたいのに、不安で外出が億劫になった」

そんな経験はありませんか。

尿もれは、とても相談しにくい悩みです。
家族にも友人にも話せず、一人で抱え込んでいる方が少なくありません。

でも、決して特別なことでも、恥ずかしいことでもありません。
産婦人科領域の報告では、40歳以上の女性の約40%に尿失禁の経験があるとされています。
多くの女性が、同じ悩みを抱えています。

この記事では、咳やくしゃみで漏れるのはなぜか、先に確認しておきたい受診の目安、そして理学療法士の立場から、骨盤底筋の基本的なエクササイズを3段階でお伝えします。

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目次

咳・くしゃみで漏れるのはなぜ?閉経後に起こりやすい理由

尿もれは、原因によっていくつかのタイプに分かれます。
自分がどのタイプに近いのかを知ることが、対策の第一歩です。

1. 腹圧性尿失禁(咳・くしゃみ・笑う・運動などで漏れる)

咳やくしゃみ、笑う、運動など、お腹に力がかかったときに漏れるタイプです。
膀胱は収縮していないのに漏れてしまいます。
原因としては、膀胱の出口から尿道にかけての部分が動きすぎること、尿道を締める力が弱くなることなどが挙げられています。

出産後や更年期の30〜50代で多いとされています。

2. 切迫性尿失禁(急に強い尿意が来て間に合わない)

強い尿意とともに、トイレまで我慢できずに漏れるタイプです。
過活動膀胱と関連しており、70歳以降で多いとされています。

3. 混合性尿失禁

腹圧性と切迫性の両方がみられるタイプです。

4. 溢流性尿失禁(ダラダラと少しずつ漏れる)

膀胱に尿がたまりすぎて、あふれるように漏れるタイプです。
尿が出にくい状態などが背景にある場合があり、医療機関での確認が必要です。

「咳・くしゃみで漏れる」場合は、腹圧性尿失禁である可能性があります。
ただし、このタイプだけでなく、切迫性が合併している方も少なくありません。

閉経後に気になりやすい理由は、一つに特定できるものではありません。

骨盤底筋は、膀胱や子宮などを下から支える筋肉群です。
出産や加齢、体重の変化、便秘、長引く咳、運動不足などで負担がかかったり、筋力が低下したりすると、尿道を支える力が弱くなりやすくなります。
更年期は、そこに女性ホルモンの変化も重なる時期であり、尿もれが悪化しやすい年代とされています。

先に確認したい「受診のサイン」と婦人科・泌尿器科に相談すべき目安

運動を始める前に、まず確認しておいていただきたいことがあります。
尿もれの背景に、医療機関での診断・治療が必要な状態が隠れていることがあるからです。

次のような場合は、運動を始める前に、婦人科または泌尿器科にご相談ください。

・血尿が出る(尿に血が混じる)
・排尿時の痛みや、発熱を伴う/膀胱炎を繰り返す
・排尿後もすっきりしない、残尿感が続く
・尿が出にくい、ダラダラと漏れる
・急に尿もれが始まった、または急に悪化した
・強い尿意があり、トイレに間に合わないことが多い
・膣や下腹部に、何かが下がってくる感じ・膨らみがある(骨盤臓器脱の可能性)
・足のしびれや脱力など、神経症状を伴う
・咳が長く続いている(咳そのものの原因を確認する必要があります)
・すでに数か月間エクササイズを続けているが、改善しない

また、日常生活に支障があったり、生活の質が下がったりしているのであれば、それだけでも受診してよい目安です。
「困ったら恥ずかしがらずに受診しましょう」と専門家も呼びかけています。

医療機関では、尿もれのタイプを確認したうえで、骨盤底筋訓練、薬物療法、手術など、状態に応じた選択肢を提案してもらえます。
診断・治療は医療機関、日常に取り入れる運動の指導は理学療法士、というように、役割を分けて考えていただけると安心です。

理学療法士が教える骨盤底筋の基本エクササイズ(3段階)

骨盤底筋訓練は、腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁のどちらにも有用とされており、診療ガイドラインでも推奨されている方法です。
ただし、骨盤底筋は目に見えず、感覚もつかみにくい筋肉です。独力ではうまく収縮できず、効果が出にくい場合もあります。

そのため、次の3段階で、少しずつ進めていくのがおすすめです。痛みや不快感がある場合は、すぐに中止してください。

段階1:仰向けで「感覚をつかむ」

最も力が入りにくく、骨盤底筋の感覚を確認しやすい姿勢です。

■仰向けで膝を立て、足を肩幅くらいに開く
■息を吐きながら、肛門と膣を軽く締めて、体の内側に引き上げるようなイメージで力を入れる
■数秒間そのまま保ち、息を吐ききったら、ゆっくり力を抜く
■慣れてきたら、少しずつ保つ時間を長くする(最終的に10秒程度が目標)

<ポイント>
・息を止めない(呼吸は続けたまま)
・お尻・太もも・お腹に強く力が入りすぎていないか確認する
・「締める」だけでなく「しっかり緩める」ことも同じくらい大切

段階2:座位・立位で「姿勢を変えても使えるようにする」

仰向けでできるようになったら、椅子に座った姿勢、立った姿勢でも同じように行います。

■椅子に浅めに座り、背筋を軽く伸ばす
■段階1と同様に、息を吐きながら骨盤底筋を引き上げる
■できるようになったら、立った状態でも行う

重力がかかるぶん、仰向けより難しく感じるかもしれません。

短い時間から、無理なく行ってください。

段階3:日常動作の中で「必要なときに使えるようにする」

最終的な目標は、咳やくしゃみ、立ち上がり、物を持ち上げるといった日常の場面で、自然に骨盤底筋が働くことです。

■咳やくしゃみが出そうなとき
その直前に、意識して骨盤底筋を締める。
ガイドラインでは、咳の前に骨盤底筋を意識的に収縮させることで、軽度〜中等度の腹圧性尿失禁が1週間程度で減る可能性があるとされています。

■立ち上がるとき・物を持ち上げるとき
動作の直前に軽く締めてから動く。

<回数や期間の目安について>

研究やガイドラインでは、骨盤底筋訓練を数週間〜数か月間、継続して行うことが示されています。
たとえば、1セット5〜10回を1日5〜10セット、12週間続けることで、約40%で尿失禁の改善がみられたという報告があります。
また、ガイドラインでは、10秒収縮・10秒弛緩を1日30〜80回、少なくとも8週間続ける方法も例として示されています。

ただし、これは研究で用いられた方法の例であり、最初からこの量を目指す必要はありません。
まずは短い時間・少ない回数から始め、無理のない範囲で続けることが大切です。
3か月以上続けても効果が感じられない場合は、医療機関に相談して、次の段階の治療を検討してください。

注意したいこと
・排尿中に尿を止める動作は、感覚を確認する目的以外で繰り返し行わないでください
・息を止めて力む動作は、お腹への圧力を高め、かえって骨盤底に負担をかけることがあります
・骨盤臓器脱が疑われる場合は、運動の前に必ず医師へご相談ください

骨盤底筋だけでは足りない?股関節・体幹・姿勢を含めた考え方

骨盤底筋訓練は有効な方法ですが、「やっているのに、あまり変わらない」と感じる方もいらっしゃいます。
その背景には、次のようなことが関わっている場合があります。

1. そもそもうまく収縮できていない
骨盤底筋は感覚がつかみにくく、お尻やお腹の筋肉で代わりに力を入れてしまっている場合があります。

2. 呼吸と連動していない
骨盤底筋は、横隔膜・お腹の深い筋肉・背骨まわりの筋肉と連動して働くと考えられています。
呼吸を止めたり、浅い呼吸になったりしていると、うまく働きにくくなります。

3. 股関節・お尻の筋肉・姿勢
デスクワークで座る時間が長いと、股関節が硬くなり、お尻の筋肉が使われにくくなります。
骨盤の傾きや、立ったり歩いたりするときの体の使い方によって、骨盤底にかかる負担のかかり方が変わる可能性があります。

4. 日常動作に結びついていない
筋肉が働くことと、必要なタイミングで使えることは別です。
立ち上がる、歩く、荷物を持つといった動きの中で使えるようにする練習が必要です。

こうした要素は、一人ひとりで異なるため、「骨盤底筋だけを頑張る」のではなく、体全体の使い方を含めて確認することが、近道になることがあります。

一人で続けにくい方へ:Rifegymでの評価と個別プログラム

骨盤底筋訓練は、地味で変化が分かりにくく、一人では続けにくい運動です。
実際に、継続が難しいことが課題とされています。

Rifegym(渋谷)では、在籍するトレーナー全員が理学療法士(国家資格保有者)です。
尿もれのお悩みについては、次のようなかたちでお手伝いしています。

■まず、受診の必要性をご案内します
前述の受診のサインに当てはまる場合は、医療機関への相談をおすすめします。
診断・治療は医療機関の役割です。

■姿勢・呼吸・体幹・股関節の使い方を評価します
問診と動作の確認を通じて、体全体の使い方のクセを確認します。

■お一人おひとりに合った運動を組み立てます
骨盤底筋の基本エクササイズに加え、呼吸、股関節、お尻や体幹の筋肉を含めて、無理なく続けられる内容を一緒に考えます。

■日常動作への落とし込みを一緒に練習します
咳をする前、立ち上がるときなど、生活の場面で使えるようにします。

なお、膣内の診察や、専用の機器を使った骨盤底筋の評価・指導は、医療機関で行われるものです。
Rifegymでは、それらを行うのではなく、医療機関での診断・治療とは別に、日常の動きや運動習慣を整えるという立場でサポートしています。

「こんなことを相談してもいいのかな」と迷われる方もいらっしゃると思います。
お悩みの内容は、まず体験セッションやご相談の場でお聞かせください!

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