40代50代の筋力低下対策、実践すべき運動習慣

「階段で息が上がるようになった」「健康診断の結果が気になるが、仕事が優先で運動は後回し」
40代後半から50代の経営者の方から、こうした話をうかがう機会は少なくありません。
事業を動かす立場にある方や責任ある仕事が触れる方にとって、自分自身の身体は最も重要な経営資源の一つです。
しかし、筋力の低下は痛みのように目立つ形で現れにくいため、気づいたときには、日常の動作や体力に影響が出始めている、というケースも少なくありません。
この記事では、筋力低下とサルコペニアの基礎知識、健康寿命との関係、そして多忙な方でも続けやすい運動習慣の考え方を、理学療法士の視点から整理します。
目次
- ○ 40代・50代から始まる筋力低下(サルコペニア)のリアル
- ○ なぜ筋力低下に気づきにくいのか
- ○ 筋力低下を放置するとどうなるか(健康寿命・経営パフォーマンスへの影響)
- ○ 多忙な人でも続けられる運動処方の考え方
- ○ 健康経営・セカンドオピニオンとしてのRifegymの活用法
40代・50代から始まる筋力低下(サルコペニア)のリアル
まず、言葉の整理をしておきます。
サルコペニアとは、高齢期に見られる骨格筋量の低下と、筋力や歩行速度などの身体機能の低下を指す言葉です(厚生労働省 e-ヘルスネット)。
つまり、サルコペニアそのものは主に高齢期の状態を指します。
ただし、ここで知っておきたいのは、骨格筋量の低下は25〜30歳頃から始まり、生涯を通して進行するとされている点です。
40代・50代は、すでに筋肉量の減少が進行している時期にあたり、「サルコペニアになってから」ではなく、「なる前の段階から備える」ことが重要になります。
日常の中で、次のような変化を感じることはないでしょうか。
・階段や坂道で以前より疲れやすくなった
・椅子から立ち上がるときに、手をつくことが増えた
・長時間歩くと脚が重くなる
・体重は変わらないのに、身体のラインが変わってきた
これらは、筋力や身体機能の変化を示すサインの一つです。
なぜ筋力低下に気づきにくいのか
ここでは「経営者の方は筋力低下のリスクが高い」と断定するわけではありません。
ただ、40,50代の方の働き方には、運動不足や筋力低下を後回しにしやすい生活要因が重なりやすい傾向があります。
■座っている時間が長い:会議、デスクワーク、移動中も座位が中心になりやすい
■スケジュールの優先順位で運動が最後になる:売上や人の問題が優先され、自分の健康は後回しになりがち
■不規則な食事・会食が多い:たんぱく質などの栄養バランスが偏りやすい
■睡眠時間が不安定:回復が追いつかず、運動の意欲も下がる
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、「座りっぱなし」の時間が長くなりすぎないよう注意することが示されています。
筋力低下を放置するとどうなるか(健康寿命・経営パフォーマンスへの影響)

健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。
画像は2022年(令和4年)のものです。
平均寿命と健康寿命の間には、男性で約8.5年、女性で約11.6年の差があります。
この期間を、できるだけ自立して過ごせる状態に近づけることが、健康寿命延伸の考え方です。
筋力は、立ち上がる、歩く、階段を上るといった日常動作を支える土台です。
サルコペニアで抗重力筋(広背筋、腹筋、膝伸筋群、臀筋群など)が低下すると、立ち上がりや歩行が次第におっくうになり、放置すれば歩行困難につながって、高齢期の活動能力低下の大きな原因になるとされています。
また、事業や仕事を長く続けたいと考える経営者にとって、体力は意思決定の質や、長期的に働き続けられるかにも関わる要素です。
筋力そのものが経営成績を直接左右するという科学的な断定はできませんが、自分自身の体力を土台として維持することは、長期的に事業に向き合うための前提条件の一つと言えます。
多忙な人でも続けられる運動処方の考え方
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人(18〜64歳)の推奨事項として、次のように示されています。
■歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)
■息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
■筋力トレーニングを週2〜3日
これらをすべて完璧にこなす必要はありません。
多忙な方が運動を続けるために大切なのは、次のような考え方です。
1. 「まとまった時間」ではなく「分割して積み上げる」
30分の運動時間を確保するのが難しくても、移動中の歩行、階段の利用、1時間に一度立ち上がるといった小さな積み重ねが、身体活動量を押し上げます。
2. 筋力トレーニングは「頻度」より「質」と「継続」
週に何度も長時間行わなくても、自分の身体に合った種目と負荷で、継続して行うことが重要です。
3. 運動と栄養を両輪で考える
サルコペニアの予防では、運動に加えて、たんぱく質を中心とした栄養摂取を組み合わせるほうが、単独よりも効果的と考えられています。
4. 最初に「自分の身体の状態」を知る
体力や筋力の状態、姿勢や動作のクセ、既往歴は人によって大きく異なります。
最初に評価を受けておくことで、「何を優先すべきか」が明確になり、時間の限られた中でも無駄の少ない運動が組み立てやすくなります。
なお、上記は一般的な推奨であり、持病がある方、服薬中の方、健康診断で指摘を受けている方は、運動を始める前に医師に相談してください。
健康経営・セカンドオピニオンとしてのRifegymの活用法
Rifegym(渋谷)は、厚生労働大臣認定の指定運動療法施設であり、在籍するトレーナーは全員が理学療法士(国家資格保有者)です。
個人の健康だけでなく、ウェルネスを仕事に活かしたいという方には、次のような形でご活用いただけます。
・現状把握の場として:今の体力や筋力、姿勢の状態を、専門家の評価で客観的に確認する
・今の運動習慣の見直しとして:すでにジムや運動を行っている方が、「今のやり方が自分の身体に合っているか」を確認するセカンドオピニオンとして活用する
・限られた時間で効率よく進める場として:評価に基づいた内容で、優先順位の高い運動に絞って取り組む
まずはご自身や身近の仕事仲間の健康状況から把握してみましょう!